2024年に始まった新NISAに合わせて投資を始めようと考えている方も多いと思いますが、初めての投資だとわけもわからずに変な投資をしてしまう可能性も十分にあります。
そこで今回は、投資初心者がやりがちな失敗を5つに分けて紹介していきたいと思います。
わたし絶対間違っちゃうから早く教えてくれない?
①手数料が高いインデックスファンドを買ってしまう
インデックスファンドには毎年かかる「信託報酬」というのがあります。
いわゆる手数料なのですが、インデックスファンドによって0.1%などと非常に安いものから、1~2%という高い手数料のものまで数多く存在しています。
その中でも間違いやすいのがインデックスファンドの中でも非常に人気がある「eMAXISシリーズ」です。
eMAXISシリーズは非常に人気があるインデックスファンドなのですが、eMAXISシリーズには「Slim」と表記があるものと表記が無いものが存在するのです。
Slimがあるのと無いのだと何が違うの?
Slimの方が圧倒的に安いので、購入するときは絶対にSlimがついている方を選ばないとダメなんだよ。
それではこちらを見てみましょう。
インデックスファンドの中で最も人気がある「三菱UFJ-eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」です。
左のSlimの信託報酬は「0.05775%」に対し、右のSlimが無い方は「0.66%」と約10倍も信託報酬(手数料)が高くなっています。
安いから良くない?
逆にSlimの方だと0.05775%だから100万円だと1年で577円だから10年でも5,770円しかかからないんだよ。
これは100万円の場合の手数料なので、毎月積み立て金額を3万円に設定していたとすると10年で360万円積み立てられます。
これの0.66%になると年間23,760円の手数料となってしまいます。
つまり、金額が大きくなればなるほど手数料もバカにならないのですが、Slimがついているものとついていないものでは基本的に同じ商品なので、それであれば手数料が安いSlimの方が断然良いですよね。
一方でSlimの方はネットだけで販売されているので手数料が安いんだよ。
ネットだけで販売してるから人件費がかかってない分安いってことか!
というわけで人気のeMAXISシリーズを購入する際は、必ず「Slim」と表記があるインデックスファンドを購入するようにしましょう。
手数料とトータルリターンのパーセンテージを確認しよう!
ちなみにインデックスファンドの手数料の目安は1%以内となります。
手数料が1%以上のインデックスファンドの場合、利回りが2%だったとすると1%が手数料なので、実質1%しか利益を得られないということになります。
そのため、もし手数料が高いファンドを購入するのであれば、過去の利回りを確認して、高い手数料を払っても利益が出ているかを確認するようにしましょう。
SBI証券の成長投資枠で買える手数料が高いファンドトップ4を出してみたよ。
例えば左から3番目のSBI-アメリカンドリームファンドだと手数料が2.585%だけど1年のトータルリターンが10.46%になっているので、利益は約8%になります。
ただ一番右の三菱UFJ-グローバルヘルスケア&バイオファンドは2.42%の手数料に対し、トータルリターンが-6.09%となっています。
ということは約8%のマイナスということがわかりますね。
そうやって手数料とリターンのパーセンテージを見て選ぶのが良いってことか!
②銀行窓口で勧められたファンドを買ってしまう
NISAは証券会社だけでなく銀行や郵便局などでも始めることができます。
ただ、NISAの口座はマインバーと紐付ける必要があり、1人1口座までしか作ることができません。
そのため、ネットで購入できる証券会社の方が手数料が安かったから銀行で作ってしまったけどSBI証券に移したいと思ったときに移すのが非常に面倒なのです。
NISA口座を銀行で作らないほうがいい理由
NISA口座を銀行で作らない方がいい理由はズバリ、手数料が高いからです。
銀行や郵便局でインデックスファンドなどの投資信託を購入する場合、窓口でどのファンドにすればいいかなどが相談することができます。
つまり人件費がかかってしまうということです。
その分、ネットで購入できる同じ商品なのに手数料が10倍くらい高くなってしまうのです。
積み立て型の投資信託では10年以上の長期投資が必須なので手数料が高いっていうのはかなりのネックになるんだ。
それと、銀行や郵便局では扱ってる商品が少ないっていうのもあるよ。
現在SBI証券でNISAのつみたて投資枠対象のインデックスファンドは約200本、成長投資枠で買えるのが約1100本となっています。
数が多ければいいというわけではありませんが、選択肢がたくさんあるという点でもネット証券の方に分があります。
また、銀行では個別株は購入できないというデメリットもあります。
NISAの成長投資枠ではインデックスファンドはもちろん個別株も対象となっているので、ある程度投資に慣れて、個別株も買いたいな。
と思っても買うことができないので、NISA口座を移行しなければいけないのです。
例えば任天堂の株をNISA枠で買いたいと思っても銀行でNISA口座を作ってたら買えないんだね…
銀行では投資信託しか買えないので、選択肢が少ないっていうデメリットがあるよ。
まあでも初心者は個別株に手は出さない方が良いと思うけどね…
③個別株に手を出してしまう
S&P500はアメリカ株の選ばれた500社の株価指数を元に取り引きされているため、アメリカの経済が伸びていれば、利益額も増えていきます。
つまりはアメリカの景気が良ければ上向き、悪ければ下向きになります。
ただ、アメリカ経済はこれまでずっと上向きで来ていて、これからもアメリカの人口は増えていく予想になっています。
そのため今後もS&P500やアメリカ株が約60%を占める全世界株式(オールカントリー)に投資していれば、ほとんどの確率で利益が出ることが予想されています。
ただしこのようなインデックスファンドでは、良くて年間10%くらいの利回りにしかならないので、大きく稼ぎたいという人には向いていません。
個別株ならもっと稼げる可能性があるけど、損をする可能性もかなり高いのが現実なんだ。
そのため、大きく稼ぐには個別株が最も有効なのですが、個別株はその企業の業績・将来性などを詳しく調べてから購入しないと、上がるどころか大きく下がってしまう可能性も高いのです。
また、個別株だけで毎月・毎年利益を出し続けるというのは素人にはほぼ不可能なのです。
もちろん天才的な投資家も中にはいて、100万円から数億稼いだという人もいますが、99%の人はインデックスファンドには勝つことはできません。
たまたま買った株が2倍とか3倍になることはあっても、それを何年も続けていけるのはほんの一握りの天才か、24時間株のことばかり考えられる努力家の人だけなんだよな…
仕事をしながら買いたい企業を探して、業績見て、将来性を考えて、今の経済状況を調べて…
なんて専業じゃないと難しいからね。
でも株が趣味になって、いろんな企業を探すのが好きなんだったら、まず数万円から始めるというのは良いと思うよ。
あとは無くなっても困らないくらいの少額から始めることが大事よね。
④下がったときに慌てて売ってしまう
株の基本は「安いときに買って高いときに売る」です。
なのに、持っている株が下がったら恐くなって売ってしまう人っていますよね?
この場合、買ったときよりも下がったから売ったということになります。
もう一度、株の基本を思い出してみましょう。
「安いときに買って、高いときに売る」です。
下がったので売るというのは、完全に株の基本の逆をやってしまっていることがわかります。
あと株の基本には損切りっていうのもあるんじゃない?
でもね、そもそも初心者は、損切りしないといけないような株に手を出してはいけないんだよ。
初心者は一度買ったら、買ったことを忘れてそのまま放置するのが一番です。
S&P500や全世界株式などは、人口の増加もあり今後数十年右肩上がりが予想されています。
ただ10年・20年と株を持ち続けていると、リーマンショックやコロナショックと同じようなことが間違いなく起こるでしょう。
それでも、一時的に株価が下がったとしても、そのときよりも必ず株価は上がっています。
そのため、一時的な下げに反応せずに、下がったときは株も多く買えるからラッキーと言う気持ちで過ごすことが大事になります。
すると今度は100円で2個買えることになるんだ。
つまり、株価が下がるとそれだけ買える株の数が増えるので、上がったときに得をするということなんだよ。
10年20年を見据えて上がると予想されている株に関しては売らずに毎月積み立てしていくことが大事だね。
だから国も「つみたてNISA」を推奨してるんだよ。
つまり株初心者は、将来的に値上がりが期待できるインデックスファンドを積み立てで購入していれば、あとは何も考えずにコツコツ積み立てるのが一番というわけです。
これまでの歴史でもアメリカや世界の株は上がり続けていますので、それを信じてコツコツやるのがオススメです。
⑤うまい投資話に乗ってしまう
よくある投資詐欺の謳い文句は「必ず儲かる」「何倍にもなる」です。
最も安定して利益を出しているのがインデックスファンドで、基本的には年利5%出てれば合格というラインです。
しかしそんなインデックスファンドでも、2023年までは右肩上がりできていましたが、今後も絶対に上がるかと言われると、絶対と言ってしまう経済評論家の方はいないでしょう。
投資の世界に絶対は無いからです。
ただ、いままでの歴史から見ると、人口が増えると経済も成長することから、株価も上がることが予想されています。
そのためS&P500や全世界株式は今後も上がるでしょう。という予想はされています。
世界的にこれほど注目されているインデックスファンドでも、必ず上がるとは言われていないのに、高層ビルで行われている怪しいセミナーで販売している商品が絶対に何倍も儲かるわけがないのです。
手口としては、「お金が欲しい」などとX(旧Twitter)で投稿した人などに、DMでセミナーを紹介したり、駅前で勧誘してセミナーに誘い、投資を持ちかけます。
年齢が若い人がよく引っかかるようですが、投資は自己責任でネットで証券会社で口座を作って、インデックスファンドに投資するのが一番です。
迷ったら、S&P500か全世界株式に、まず100円投資してみてください。
それで数ヶ月後に見てみて、上がってたら1000円追加してみるという感じでスタートするのが無難です。
決して変なセミナーの投資話に乗ってはいけません。
10倍だから絶対に1000万円になるよ!
100万円はちょっと難しいけど30万円預けることにするよ!
オススメのインデックスファンドはこちら
http://ap-land.com/archives/118